10-1 費用の繰延べ・収益の繰延べ
繰延べ(くりのべ)とは
当期にすでにお金を支払った(受け取った)けれど、その中には「次期(来年)のサービス分」が含まれている場合があります。 今年の正しい利益を計算するために、来年の分を今年の費用(収益)からマイナスして、次期へ繰り延べる(先送りする)処理を行います。
1. 費用の繰延べ(前払費用)
当期に支払った費用のうち、次期の分を前払費用(まえばらいひよう)【資産】として処理します。 ※試験では「前払保険料」や「前払家賃」など、具体的な科目名を使うことが多いです。
【例】決算日(12月末)。当年9月1日に向こう1年分の保険料12,000円を現金で支払い、全額を「支払保険料」で処理していた。次期分を月割計算して繰り延べる。
- 支払った期間:当年9月1日 〜 翌年8月31日(12ヶ月)
- 当期の月数(9〜12月):4ヶ月分
- 次期の月数(1〜8月):8ヶ月分(繰り延べる分)
- 次期分の金額:12,000円 × 8ヶ月 / 12ヶ月 = 8,000円
(借) 前払保険料 8,000 / (貸) 支払保険料 8,000 ※支払保険料(費用)を減らし、前払保険料(来年保険をかけてもらえる権利=資産)を計上します。
2. 収益の繰延べ(前受収益)
当期に受け取った収益のうち、次期の分を前受収益(まえうけしゅうえき)【負債】として処理します。 ※試験では「前受地代」や「前受手数料」などが使われます。
【例】決算日(12月末)。当年10月1日に向こう1年分の受取地代12,000円を現金で受け取り、全額を「受取地代」で処理していた。
- 次期の月数(1〜9月):9ヶ月分(繰り延べる分)
- 次期分の金額:12,000円 × 9ヶ月 / 12ヶ月 = 9,000円
(借) 受取地代 9,000 / (貸) 前受地代 9,000 ※受取地代(収益)を減らし、前受地代(来年土地を使わせてあげる義務=負債)を計上します。
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