13-1 精算表から損益計算書を作る

第13章は最終報告書を完成させる章

第1章・第2章で学んだ五要素の定義を繰り返すのではなく、第12章の精算表で確定した金額を、実際の損益計算書と貸借対照表へ移す手順を学びます。

統一ケースは青葉サービス株式会社です。会計期間は4月1日から3月31日まで、金額単位は円です。

調整後の収益・費用残高

決算整理後、精算表の損益計算書欄に次の残高が集計されました。

科目 区分 金額
売上 収益 700,000
受取利息 収益 4,000
売上原価 費用 420,000
給料 費用 100,000
支払家賃 費用 48,000
水道光熱費 費用 20,000
減価償却費 費用 30,000
保険料 費用 6,000

精算表に入る前の売上・仕入残高ではなく、決算整理を反映した後の金額を使います。

ステップ1:収益合計を計算する

売上700,000円+受取利息4,000円=704,000円

ステップ2:費用合計を計算する

420,000円+100,000円+48,000円+20,000円+30,000円+6,000円=624,000円

ステップ3:当期純利益を計算する

当期純利益=収益704,000円−費用624,000円=80,000円

収益が費用を上回るため、当期純利益です。費用が収益を上回れば当期純損失になります。

損益計算書

青葉サービス株式会社

自 20X1年4月1日 至 20X2年3月31日

金額単位:円

費用 金額 収益 金額
売上原価 420,000 売上 700,000
給料 100,000 受取利息 4,000
支払家賃 48,000
水道光熱費 20,000
減価償却費 30,000
保険料 6,000
当期純利益 80,000
合計 704,000 合計 704,000

当期純利益は左右を一致させるため費用側へ表示されますが、費用ではありません。収益と費用の差額です。

精算表から転記する順序

  1. 損益計算書欄の貸方科目を収益として集める
  2. 損益計算書欄の借方科目を費用として集める
  3. 収益合計と費用合計を計算する
  4. 差額を当期純利益または当期純損失とする
  5. 当期純利益を費用側、当期純損失を収益側へ記入して合計を一致させる

売上原価を仕入残高のまま載せない

三分法では期中に仕入を使いますが、財務諸表には当期に販売した商品の原価である売上原価を表示します。

売上原価=期首商品+当期仕入純額−期末商品

このケースでは決算整理後の売上原価420,000円を使います。

期間を正しく表示する

損益計算書は「一定期間」の経営成績を示します。

  • 正しい表示:自4月1日 至3月31日
  • 貸借対照表のような「3月31日現在」ではない

収益・費用の漏れを確認する

収益

  • 売上
  • 受取利息
  • 受取手数料
  • 雑益など

費用

  • 売上原価
  • 給料
  • 支払家賃
  • 水道光熱費
  • 減価償却費
  • 保険料
  • 支払利息など

精算表の損益計算書欄にある科目を一つずつ照合します。

よくある誤り

誤り1:売上から現金入金額だけを載せる

売掛金による販売も売上に含まれます。入金額ではなく当期売上額を使います。

誤り2:期末商品を費用に含めたままにする

期末商品は翌期へ繰り越す資産です。売上原価から除きます。

誤り3:減価償却費をB/Sへ載せる

減価償却費はP/L、減価償却累計額はB/Sです。

誤り4:当期純利益を収益科目として扱う

当期純利益は収益と費用の差額であり、独立した収益科目ではありません。

誤り5:決算整理前の金額を使う

見越し・繰延べ、減価償却、売上原価などを反映した調整後残高を使います。

検算

  • 収益合計704,000円
  • 費用合計624,000円
  • 当期純利益80,000円
  • 費用624,000円+利益80,000円=収益704,000円

次の13-2「精算表から貸借対照表を作る」では、同じケースの資産・負債・純資産を表示します。


適用年度: 2026年度

最終確認日: 2026年7月19日

主な確認資料: 日本商工会議所「簿記検定試験出題区分表(2022年度適用、2026年度も適用)」「簿記3級サンプル問題」

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