4-2 各種所得の計算1(利子・配当・不動産・事業)

最終更新 2026-07-21制度・データ基準 2026-04-01内容確認済み内容の作り方 →

この節でできるようになること

  • 利子・配当・不動産・事業所得の計算式と課税方法を区別できる。
  • 必要経費と家事費を分け、収入に含める礼金・更新料等を判断できる。
  • 不動産所得の赤字に土地取得借入金利子が含まれる場合の損益通算限度を求められる。

1. 利子所得

利子所得は、預貯金や公社債の利子などです。基本式は次のとおりです。

利子所得の金額 = 収入金額

国内の預貯金利子は、原則として20.315%の源泉分離課税です。支払時に課税が終了するため、通常は確定申告で他の所得と合算しません。一方、特定公社債等の利子などは申告分離課税や申告不要制度の対象となり得るため、「利子所得=必ず源泉分離」と機械的に判断しないでください。

2. 配当所得

配当所得 = 配当等の収入金額 - 株式等を取得するための借入金利子

借入金利子は、配当を生じる元本の保有期間に対応する部分に限られます。上場株式等の配当は、総合課税、申告分離課税、申告不要制度の選択肢があります。

選択 特徴 試験での確認点
総合課税 他の総合所得と合算 一定の国内配当は配当控除を検討
申告分離課税 上場株式等の譲渡損失との通算を検討 配当控除は使わない
申告不要 源泉徴収で終了 確定申告へ含めない

3. 不動産所得

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

総収入には家賃だけでなく、更新料、礼金、名義書換料、返還不要の敷金・保証金、共益費として受け取る水道代等も含まれます。返還を要する敷金は受領時の収入ではありません。

主な必要経費は、固定資産税、損害保険料、修繕費、減価償却費、借入金利子などです。借入金の元本返済は経費ではありません。

赤字と土地取得借入金利子

不動産所得の赤字は原則として他の総合所得と損益通算できます。ただし、赤字のうち土地等を取得するための借入金利子に相当する部分は損益通算できません。

  • 不動産収入:120万円
  • 必要経費:150万円
  • 必要経費のうち土地取得借入金利子:10万円

不動産所得は120万円-150万円=△30万円です。しかし、他の所得と通算できるのは30万円-10万円=20万円です。

4. 事業所得

事業所得 = 総収入金額 - 必要経費

事業所得は、独立・継続・反復して営む事業から生じます。売上のほか、商品を自家消費した価額、リベート、事業用資産の損害を補填する保険金などが収入となる場合があります。

必要経費は、売上原価、従業員給与、地代家賃、減価償却費など、収入を得るため直接必要な費用です。家事費は経費になりません。家事関連費は、業務部分を合理的に区分できる場合、その部分だけを経費にします。

5. 不動産所得と事業所得を見分ける

建物を貸して得る収入は、貸付規模が大きくても原則として不動産所得です。「事業的規模」は青色申告特別控除等に影響しますが、所得区分を事業所得へ変える言葉ではありません。

6. 連続ケースの途中計算

青葉直人さんの賃貸不動産は、収入120万円、経費150万円で不動産所得△30万円です。土地取得借入金利子10万円を除くため、給与所得等から差し引ける額は20万円です。

7. 間違いやすい答案

  • 返還する敷金を受領時の収入にする。
  • 借入金の元本返済を必要経費にする。
  • 土地取得借入金利子を含む赤字30万円を全額通算する。
  • 配当の課税方法を選んだ後も、別方式のメリットを同時に使う。

8. 自己点検チェック

  1. 収入に含める項目を列挙したか。
  2. 必要経費に私的支出や元本返済が混ざっていないか。
  3. 不動産赤字に土地取得借入金利子が含まれていないか。
  4. 課税方法を一つ選んだ後、他方式のルールを混ぜていないか。

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