4-5 損益通算と所得控除

1. 損益通算(絶対に暗記!)

ある所得で赤字(損失)が出た場合、その赤字を他の所得の黒字から差し引いて、税金を減らすことができる仕組みです。

損益通算できる4つの所得(合言葉:ふ・じ・さ・ん・じょう)

  1. 動産所得(不動産)
  2. 業所得(事業)
  3. さん林所得(山林)
  4. じょう渡所得(譲渡)※ゴルフ会員権や総合課税の譲渡に限る。株式や土地建物の赤字は原則通算不可。

2. 所得控除

個人の個人的な事情(病気になった、養う家族が多いなど)を考慮して、所得から一定額を差し引く制度です。全15種類あります。

代表的な所得控除

  • 基礎控除: 令和7年分は、合計所得金額に応じて段階的に控除額が決まります(令和9年分以後は58万円に統一予定)。
合計所得金額 基礎控除額(令和7年分)
132万円以下 95万円
132万円超336万円以下 88万円
336万円超489万円以下 68万円
489万円超655万円以下 63万円
655万円超2,350万円以下 58万円
2,350万円超 段階的に減少・消失
  • いわゆる「103万円の壁」は、基礎控除58万円+給与所得控除の最低保障額65万円=123万円に引き上げられました(「123万円の壁」)。給与収入のみの人は、給与収入123万円までは所得税がかからないことになります。
  • 医療費控除: 1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合。
    • 控除額 = (支払った医療費 - 保険金等で補填された額) - 10万円(※総所得200万未満の人は総所得の5%)
    • 最高200万円まで。
  • 生命保険料控除: 新契約の場合、一般・介護医療・個人年金の3種類で、各最高4万円、合計最高12万円
  • 配偶者控除・配偶者特別控除: 納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用を受けられません。
  • 扶養控除: 控除対象扶養親族がいる場合に受けられる控除。16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象外です。
  • 社会保険料控除: 本人または生計を一にする配偶者・親族の社会保険料を支払った場合、支払額の全額が控除されます。
  • 小規模企業共済等掛金控除: iDeCoの掛金などは全額が所得控除されます。

3. 人的控除の所得要件

控除 主なポイント
配偶者控除 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
配偶者特別控除 配偶者の所得が一定範囲内の場合に段階的に控除
扶養控除 16歳以上の扶養親族が対象
障害者控除 本人、同一生計配偶者、扶養親族が障害者の場合に適用

税制改正の影響を受けるため、金額問題は試験の法令基準日で確認する必要があります。

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