5-1 不動産の見方(登記と価格)
1. 不動産の登記記録(登記簿)
不動産(土地・建物)の物理的状況や権利関係を記録したものです。法務局(登記所)で誰でも交付を受けられます。
- 表題部(ひょうだいぶ): 不動産の「物理的状況」(所在、地番、地目、地積、建物の構造や床面積など)が記載されます。
- 権利部(けんりぶ): 不動産の「権利関係」が記載されます。
- 甲区(こうく): 所有権に関する事項(所有者の住所氏名、差押えなど)
- 乙区(おつく): 所有権以外の権利に関する事項(抵当権、賃借権など)
💡 超重要ポイント:公信力なし 登記記録には「公信力」がありません。つまり、登記記録を信じて取引をしたとしても、その登記が間違っていた場合(真の所有者ではなかった場合など)、法的に保護されない可能性があります。
2. 不動産の価格(一物四価)
1つの土地に対して、目的別に4つの異なる価格が設定されています。
| 価格の名称 | 公表元(所管) | 基準日 | 評価割合の目安 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 公示価格 | 国土交通省 | 1月1日 | 100%(基準) | 一般の土地取引の指標 |
| 基準地標準価格 | 都道府県知事 | 7月1日 | 100%(基準) | 公示価格の補完 |
| 相続税評価額(路線価) | 国税庁 | 1月1日 | 公示価格の約80% | 相続税・贈与税の計算 |
| 固定資産税評価額 | 市町村長 | 1月1日 (3年ごとに評価替え) |
公示価格の約70% | 固定資産税・不動産取得税などの計算 |
3. 登記と対抗力
- 不動産の所有権は、登記がなくても当事者間では有効に移転します。
- ただし、第三者に自分の権利を主張するには、原則として登記が必要です。これを対抗力といいます。
- 登記には公信力がないため、登記内容を信じて取引しても、真の権利者でない場合は保護されないことがあります。
4. 鑑定評価の基本
- 取引事例比較法: 似た不動産の取引事例と比較して価格を求める方法。
- 原価法: 再調達原価から減価修正して価格を求める方法。
- 収益還元法: 将来得られる収益をもとに価格を求める方法。賃貸不動産の評価で重要です。
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