5-3 不動産に関する法令(都市計画法・建築基準法)

最終更新 2026-07-21制度・データ基準 2026-04-01内容確認済み内容の作り方 →

この節でできるようになること

  • 市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域の役割を区別できる。
  • セットバック後の有効敷地面積を求められる。
  • 建蔽率の緩和を重ねて最大建築面積を計算できる。
  • 指定容積率と前面道路幅員による容積率の厳しい方を選べる。

1. 都市計画区域の読み方

  • 市街化区域:すでに市街地を形成、またはおおむね10年以内に優先的・計画的に市街化を図る区域。
  • 市街化調整区域:市街化を抑制する区域。
  • 非線引き都市計画区域:市街化区域と市街化調整区域の区分を定めていない区域。

用途地域は住居系、商業系、工業系に分かれ、建築できる用途や建蔽率・容積率の指定に影響します。工業専用地域には住宅を建築できません。

2. 接道義務とセットバック

建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接する必要があります。建築基準法上の道路とみなされる幅員4m未満の道路では、原則として道路中心線から2m後退した線が道路境界線となります。

後退部分は建築できず、建蔽率・容積率を計算する敷地面積にも算入しません。

青葉土地は登記地積240㎡ですが、道路後退部分20㎡があるため、有効敷地面積は240-20=220㎡です。

3. 建蔽率

建蔽率=建築面積÷敷地面積×100

指定建蔽率60%、特定行政庁が指定する角地で10ポイント、防火地域内の耐火建築物等で10ポイントの緩和を受けると、適用建蔽率は80%です。

最大建築面積=220㎡×80%=176㎡

緩和は「60%×1.2」ではなく、原則として10ポイントずつ加算します。指定建蔽率80%の地域で防火地域内の耐火建築物等に該当する場合は建蔽率制限が適用されない場合があります。

4. 容積率

容積率=延べ面積÷敷地面積×100

前面道路幅員が12m未満の場合、指定容積率と「道路幅員×法定乗数」の小さい方を使います。住居系用途地域で法定乗数0.4、道路幅員4mなら道路による限度は160%です。

  • 指定容積率:200%
  • 道路幅員による限度:4m×0.4=160%
  • 適用容積率:小さい方の160%
  • 最大延べ面積:220㎡×160%=352㎡

5. 防火・準防火地域

防火地域・準防火地域では、延焼防止性能の高い建築物に建蔽率の10ポイント緩和があります。角地緩和との重複可否や耐火性能の条件を問題文から確認します。

6. 農地法

行為 原則手続
農地を農地のまま権利移転 3条許可
自己所有農地を転用 4条許可
権利移転と転用 5条許可

市街化区域内農地では許可ではなく届出となる場合があります。

7. 建築可能面積の計算表

複数の制限があるときは、途中式を次の表に分けます。

段階 青葉土地の計算
有効敷地 240㎡-20㎡=220㎡
適用建蔽率 60%+10ポイント+10ポイント=80%
最大建築面積 220㎡×0.80=176㎡
道路容積率 4m×0.4=1.6=160%
適用容積率 200%と160%の小さい方=160%
最大延べ面積 220㎡×1.60=352㎡

道路幅員に法定乗数を掛けた結果1.6を「1.6%」と読まないことが重要です。容積率では1.6倍、すなわち160%として使います。

7. よくある誤り

  • セットバック部分を敷地面積へ含める。
  • 建蔽率と容積率の分子を逆にする。
  • 指定容積率200%だけを使い、道路幅員制限160%を無視する。
  • 60%の10%増しを66%と計算する。

8. 自己点検

  1. 登記地積から除外部分を引いたか。
  2. 建蔽率の緩和は割合加算かポイント加算か。
  3. 容積率は指定値と道路値の小さい方か。
  4. 面積に率を掛ける前に百分率を小数へ直したか。

セットバック・建蔽率・容積率の計算へ

この章の理解を確認しよう
練習問題で知識を定着させましょう