6-4 相続財産の評価

最終更新 2026-07-21制度・データ基準 2026-04-01内容確認済み内容の作り方 →

この節でできるようになること

  • 路線価方式と倍率方式を使い分けられる。
  • 自用地、貸宅地、貸家建付地、貸家の評価式を区別できる。
  • 特定居住用宅地等の限度面積と減額割合を使って評価額を計算できる。
  • 小規模宅地等の特例が自動適用でないことを説明できる。

1. 宅地の評価

  • 路線価方式:路線価×地積×各種補正率。
  • 倍率方式:固定資産税評価額×評価倍率。

路線価は1㎡当たり千円単位で表示されます。路線価150千円、地積300㎡、補正率1.00なら:

150,000円×300㎡=4,500万円

2. 建物と賃貸不動産

  • 自用家屋:固定資産税評価額×1.0。
  • 貸家:固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)。
  • 貸宅地:自用地価額×(1-借地権割合)。
  • 貸家建付地:自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)。

借地権割合と借家権割合を逆にしたり、貸家建付地で賃貸割合を落としたりしないようにします。

3. 小規模宅地等の特例

区分 限度面積 減額割合
特定居住用宅地等 330㎡ 80%
特定事業用宅地等 400㎡ 80%
貸付事業用宅地等 200㎡ 50%

青葉家の自宅土地は300㎡、通常評価4,500万円で、花子が要件を満たして取得するとします。全体が330㎡以内なので:

  • 減額額:4,500万円×80%=3,600万円
  • 課税価格算入額:4,500万円-3,600万円=900万円

4. 適用要件と申告

土地の用途、取得者、同居・保有・居住継続等の要件は宅地区分ごとに異なります。配偶者は特定居住用宅地等について保有・居住継続要件がありませんが、他の親族には要件があります。

この特例を使って課税価格が基礎控除以下になっても、特例適用のため相続税申告が必要です。

5. 限度面積を超える場合の計算

特例対象土地が限度面積を超える場合、全体評価額のうち限度面積に対応する部分だけを減額します。

減額額=宅地評価額×限度面積÷宅地総面積×減額割合

例えば特定居住用宅地が400㎡、評価額6,000万円なら、330㎡に対応する4,950万円が減額計算の対象です。80%減額額は3,960万円で、課税価格算入額は2,040万円となります。

複数の宅地区分へ特例を使う場合は、選択する宅地の組合せと限度面積の調整計算が必要です。単純に330㎡、400㎡、200㎡を全て加算できるとは限りません。

取得者要件の確認

同じ自宅土地でも、配偶者、同居親族、いわゆる家なき子では要件が異なります。相続開始直前の利用状況、取得者の居住状況、申告期限までの保有・居住継続を確認してから減額率を使います。

5. 上場株式・預貯金

上場株式は課税時期の最終価格と、課税月・前月・前々月の月平均額のうち最も低い価額で評価できます。預貯金は課税時期の残高に既経過利子の手取相当額を加えます。

6. よくある誤り

  • 路線価150を150円として計算する。
  • 特定居住用宅地の評価額を80%にする。正しくは80%減額で20%残る。
  • 400㎡の自宅土地全体に特定居住用330㎡の減額を適用する。
  • 特例適用後に申告不要とする。

7. 自己点検

通常評価→宅地区分→限度面積→減額割合→取得者要件→申告の順で確認します。

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