6-6 贈与税の特例と事業承継

1. 贈与税の非課税特例(金額と条件を暗記!)

教育や住宅などの特定の目的で、直系尊属(父母や祖父母)から資金を贈与された場合の特例です。

  • 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与):
    • 婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産(またはその取得資金)を贈与した場合、最高2,000万円まで控除できます(基礎控除110万と合わせて2,110万円まで非課税)。
  • 教育資金の一括贈与の非課税特例:
    • 30歳未満の子や孫へ教育資金を一括贈与した場合、受贈者1人につき1,500万円(学校等以外は500万円)まで非課税。
  • 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例:
    • 18歳以上50歳未満の子や孫へ贈与した場合、受贈者1人につき1,000万円(結婚費用は300万円)まで非課税。

2. 事業承継対策の基本

自社株(非上場株式)の評価を下げて後継者に引き継ぐことが重要です。

  • 類似業種比準方式: 似ている上場企業の株価をベースに評価する方式。
  • 純資産価額方式: 会社の資産から負債を引いた純資産をベースに評価する方式(会社の規模が小さいほどこの方式の割合が高くなります)。

3. 非上場株式の評価

非上場会社の株式は市場価格がないため、会社規模や株主の立場に応じて評価します。

評価方式 内容
類似業種比準方式 類似する上場会社の株価、配当、利益、純資産を参考に評価
純資産価額方式 会社を清算した場合の純資産をもとに評価
配当還元方式 少数株主などが取得する株式を配当から評価

4. 事業承継の対策

  • 後継者を早めに決め、経営権と財産権の承継を計画する。
  • 生前贈与や遺言により、自社株や事業用資産を後継者へ集中させる。
  • 生命保険を活用し、納税資金や遺留分対策資金を準備する。
  • 取引相場のない株式の評価引下げや納税猶予制度の活用を検討する。

5. 納税資金対策・遺産分割対策

  • 相続税は原則として10ヶ月以内に金銭一括納付するため、現金化しにくい財産が多い場合は納税資金対策が重要です。
  • 生命保険金は受取人固有の財産とされ、遺産分割協議を待たずに受け取れるため、納税資金準備に利用されます。
  • 遺言、代償分割、生命保険の活用により、相続人間のトラブルを予防します。
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