3-2 預貯金と預金保険制度
この節でできるようになること
- 普通預金、定期預金、決済用預金の特徴を比較できる。
- 預金保険制度で全額保護される預金と、一定額まで保護される預金を区別できる。
- 同一金融機関内の預金を名寄せして保護額を判断できる。
- 外貨預金、譲渡性預金、金融債など制度対象外の商品を見分けられる。
1. 預金商品の比較
| 商品 | 流動性 | 金利 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 高い | 変動 | 日常資金向け |
| 定期預金 | 低い | 預入期間に応じる | 中途解約利率に注意 |
| 貯蓄預金 | 高い | 残高等で変化 | 決済口座として制限あり |
| 決済用預金 | 高い | 無利息 | 全額保護の要件あり |
| 外貨預金 | 商品による | 外貨金利 | 為替変動・為替手数料、預金保険対象外 |
2. 預金保険制度
利息の付く普通預金・定期預金などの一般預金等は、原則として一金融機関ごと、預金者一人当たり、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
決済用預金は、次の三要件を満たす場合に全額保護されます。
- 無利息である。
- 要求払いである。
- 決済サービスを提供できる。
3. 名寄せ
同じ預金者が同一金融機関の本店と複数支店に預金していても、支店ごとに1,000万円ではありません。同一金融機関内で名寄せします。
青葉直人さんがA銀行に普通預金700万円、定期預金500万円を持つ場合、一般預金等の元本合計は1,200万円です。原則として保護対象元本は1,000万円までです。
さらに決済用預金300万円を持つ場合、決済用預金は要件を満たせば別に全額保護されます。
4. 制度対象外・別制度の商品
- 外貨預金:預金保険の対象外。
- 譲渡性預金:対象外。
- 銀行で購入した投資信託:預金ではなく、預金保険対象外。
- 証券会社の顧客資産:分別管理や投資者保護基金の仕組みを確認。
「銀行窓口で買った商品だから預金保険対象」という判断は誤りです。
5. 利率と税引後受取額
預金利息には税金が源泉徴収されます。問題文で税率20.315%と指定され、税引前利息10万円なら、税引後利息は次のように計算します。
100,000円×(1-0.20315)=79,685円
6. 保護額を求める計算表
複数の預金がある場合は、次の順で処理します。
- 同一名義・同一金融機関の一般預金等を合計する。
- 元本1,000万円までを保護対象とする。
- その元本に対応する破綻日までの利息等を加える。
- 決済用預金は三要件を確認し、一般預金等とは別に全額保護する。
- 外貨預金、投資信託、譲渡性預金等を除外する。
金融機関が異なる場合
A銀行に1,200万円、B銀行に800万円の一般預金等がある場合、保護限度は金融機関ごとに判定します。A銀行では元本1,000万円まで、B銀行では元本800万円が保護対象です。金融グループが同じでも、別法人の金融機関なら原則として別に判定します。
税引後利回りの比較
利率だけで商品を比較せず、税金、中途解約利率、預入期間、流動性を確認します。高い表示金利でも、短期の優遇期間だけの場合があります。
6. よくある誤り
- 支店ごとに1,000万円保護されるとする。
- 利息の付く普通預金が全額保護されるとする。
- 決済用預金に高い利息が付くとする。
- 外貨預金や投資信託も預金保険対象とする。
7. 自己点検
金融機関、預金者、商品区分、決済用預金三要件、対象外商品を順に確認します。
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