3-7 金融商品の税金と新NISA
この節でできるようになること
- 上場株式等の配当・譲渡損益の基本的な課税関係を区別できる。
- NISAのつみたて投資枠、成長投資枠、年間合計枠を計算できる。
- 非課税保有限度額と成長投資枠内数を区別できる。
- 売却時の枠再利用を時価ではなく取得価額で判断できる。
1. 金融所得の税務
預貯金利息は利子所得、上場株式の配当は配当所得、上場株式等の譲渡益は譲渡所得等として扱われます。具体的な申告方法、損益通算、繰越控除は口座区分や申告選択で異なります。
上場株式等の譲渡損失について、一定の配当等と損益通算し、なお残る損失を翌年以後3年間繰り越すには、原則として確定申告を継続する必要があります。
2. 2026年現行NISAの年間投資枠
| 投資枠 | 年間投資上限 |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 |
| 成長投資枠 | 240万円 |
| 併用合計 | 360万円 |
二つの枠は同一年に併用できますが、同一年に別々の金融機関で使うことはできません。
3. 非課税保有限度額
生涯の非課税保有限度額は取得価額ベースで1,800万円です。そのうち成長投資枠で保有できる上限は1,200万円です。
つみたて投資枠だけで1,800万円全体を使うことは可能です。一方、成長投資枠だけでは1,200万円が上限です。
4. 青葉NISAの利用例
青葉直人さんが2026年に、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円を使うと、年間投資額は360万円です。
すでに取得価額ベースで1,800万円を保有し、そのうち成長投資枠が1,200万円だったとします。取得価額200万円、売却時価260万円の成長投資枠商品を売却した場合、翌年以後に復活する非課税保有限度額は時価260万円ではなく取得価額200万円です。
成長投資枠の内数も200万円分空きます。ただし翌年の年間成長投資枠は240万円までであり、生涯枠が復活しても年間枠を超えて買うことはできません。
5. NISAの注意点
- NISA口座内の損失は、課税口座の利益と損益通算できない。
- 非課税となるのは制度対象商品の配当・譲渡益等。
- 配当を非課税で受けるには受取方法の条件を確認する。
- 2023年までの旧NISAは新制度の1,800万円とは外枠で管理される。
6. 2027年以後の改正情報との区分
将来の制度改正案や2027年以後の対象年齢拡充等は、2026年4月1日法令基準のFP3級計算に混入しません。問題文の基準日を優先します。
7. NISA枠管理の記録方法
年間投資枠は買付額で管理し、値上がり後の時価は年間枠を追加消費しません。非課税保有限度額も簿価、すなわち取得価額で管理します。
| 事象 | 年間枠 | 生涯枠 |
|---|---|---|
| 新規買付 | 買付年に消費 | 取得価額分を消費 |
| 値上がり | 変化なし | 変化なし |
| 売却 | 売却年の年間枠は戻らない | 取得価額分が翌年以後復活 |
| 値下がり売却 | 売却時価では判定しない | 取得価額分が翌年以後復活 |
NISAは税金を非課税にする口座制度であり、価格変動や信用リスクをなくす制度ではありません。
7. よくある誤り
- 年間投資枠を120万円+240万円ではなく合計240万円とする。
- 非課税保有限度額1,800万円を年間枠とする。
- 売却時価260万円分が翌年復活するとする。
- NISA損失を課税口座利益と通算できるとする。
8. 自己点検
年間枠、生涯枠、成長投資枠内数、取得価額、売却翌年、金融機関単位を分けて確認します。