3-3 債券投資

最終更新 2026-07-21制度・データ基準 2026-04-01内容確認済み内容の作り方 →

この節でできるようになること

  • 表面利率、応募者利回り、最終利回り、所有期間利回りを区別できる。
  • 額面、購入価格、償還価格、残存年数から最終利回りを計算できる。
  • 市場金利と既発債価格の逆方向の関係を説明できる。
  • 信用リスク、価格変動リスク、流動性リスクを条件から判断できる。

1. 債券の基本用語

  • 額面金額:償還時の基準となる金額。
  • 表面利率:額面金額に対する年利子の割合。
  • 発行価格・購入価格:投資家が支払う価格。
  • 償還価格:満期に受け取る価格。
  • 残存期間:償還までの期間。

額面100万円、表面利率2%なら年間利子は2万円です。購入価格が96万円でも、利子は購入価格ではなく額面を基準にします。

2. 利率と利回り

利率は利子だけを額面に対して示します。利回りは利子に加えて、購入価格と売却・償還価格の差額も含めた投資元本に対する年平均収益率です。

直接利回り

直接利回り=年間利子÷購入価格×100

青葉債券では、2万円÷96万円×100=約2.08%です。

最終利回りの単利近似

最終利回り={年間利子+(償還価格-購入価格)÷残存年数}÷購入価格×100

青葉債券の条件:

  • 額面・償還価格:100万円
  • 表面利率:2%
  • 購入価格:96万円
  • 残存期間:4年

償還差益の年平均は(100万円-96万円)÷4年=1万円です。

(2万円+1万円)÷96万円×100=3.125%

3. 市場金利と債券価格

既発債の利率は固定されています。新たに発行される債券の市場利率が上昇すると、低い利率の既発債の魅力が下がるため、価格は下落しやすくなります。

  • 市場金利上昇 → 既発債価格下落
  • 市場金利低下 → 既発債価格上昇

一般に償還までの期間が長い債券ほど、金利変動による価格変動が大きくなりやすいです。

4. 債券の主なリスク

リスク 内容
信用リスク 発行体が利払いや償還を行えない可能性
価格変動リスク 市場金利等で時価が変動する可能性
流動性リスク 希望する価格・時期に売れない可能性
為替リスク 外貨建債券の円換算額が変動する可能性
期限前償還リスク 発行体都合で予定より早く償還される可能性

格付けは信用力を判断する資料の一つですが、元本保証ではなく、将来変更される可能性があります。

5. 経過利子

利付債を利払日の途中で売買する場合、買主が売主へ経過利子を支払うことがあります。売買単価だけでなく、受渡金額に経過利子が加わる点に注意します。

6. 購入価格が額面を上回る場合

額面100万円の債券を104万円で買い、100万円で償還される場合、償還差損が生じます。最終利回りでは、年間利子から年平均償還差損を差し引きます。

利率が高くても、購入価格が大幅に額面を上回れば最終利回りは低くなる可能性があります。反対に、額面より安く購入すれば償還差益が利回りを押し上げます。

中途売却の場合

満期まで保有しない場合は、償還価格ではなく売却価格を使い、所有期間で年平均売却損益を求めます。問題文が「最終利回り」か「所有期間利回り」かを必ず確認します。

6. よくある誤り

  • 年間利子を購入価格×表面利率で計算する。
  • 最終利回りで償還差益を残存年数で割らない。
  • 市場金利上昇で既発債価格も上昇するとする。
  • 高格付けなら信用リスクがゼロとする。

7. 自己点検

額面、利率、購入価格、償還価格、残存年数を先に表へ書き、利子と価格差を分けて計算します。

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