3-5 投資信託

最終更新 2026-07-21制度・データ基準 2026-04-01内容確認済み内容の作り方 →

この節でできるようになること

  • 投資信託の委託者、受託者、販売会社の役割を区別できる。
  • 純資産総額と受益権口数から基準価額を計算できる。
  • 購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額の負担時点を判断できる。
  • 普通分配金と元本払戻金を区別し、分配金だけで運用成果を判断しない。

1. 投資信託の仕組み

関係者 主な役割
委託会社(運用会社) 運用方針を決め、受託会社へ運用指図
受託会社(信託銀行等) 信託財産を保管・管理し、基準価額を算出
販売会社 募集・販売、分配金・換金代金の支払窓口

信託財産は受託会社自身の財産と分別して管理されます。

2. 基準価額

基準価額は、投資信託の純資産総額を受益権総口数で割った1口当たりの価値です。国内の投資信託では1万口当たりで表示されることが一般的です。

青葉ファンドの条件:

  • 資産総額:25億5,000万円
  • 負債・未払費用:3,000万円
  • 純資産総額:25億2,000万円
  • 受益権総口数:20億口

基準価額=25億2,000万円÷20億口×10,000口=12,600円

3. 保有口数と評価額

基準価額12,500円のとき、手数料を除き100万円を投資した場合の口数は、

1,000,000円÷12,500円×10,000口=800,000口

基準価額が13,000円になれば、評価額は、

800,000口÷10,000口×13,000円=1,040,000円

4. 主なコスト

  • 購入時手数料:購入時に販売会社へ支払う。無料の商品もある。
  • 信託報酬:保有中、信託財産から日々間接的に差し引かれる。
  • 信託財産留保額:換金時に信託財産へ残す金額。設定がない商品もある。
  • その他費用:監査費用、売買委託手数料等。

100万円に購入時手数料1.1%なら1万1,000円です。年率0.55%の信託報酬を単純に100万円へ掛けた概算は年5,500円ですが、実際は日々の純資産額に基づきます。

5. 分配金

分配金が支払われると、その分だけ基準価額は下がる要因になります。分配金には運用収益から支払われる普通分配金と、個別元本を下回る部分から払い戻される元本払戻金があります。

「分配金が多い=運用成績が良い」とは限りません。基準価額の変化と分配金を合計したトータルリターンで確認します。

6. ETFとの違い

一般的な投資信託は1日1回算出される基準価額で取引し、申込時に価額が分からないブラインド方式が基本です。上場ETFは市場価格でリアルタイムに売買し、指値・成行注文ができます。

7. 目論見書を読む順序

投資信託を比較するときは、次の順で交付目論見書を確認します。

  1. 投資目的と投資対象。
  2. 主な投資リスク。
  3. 運用実績とベンチマーク。
  4. 購入・換金の手続。
  5. 購入時手数料、信託報酬、その他費用。
  6. 分配方針と税金。

過去の運用実績は将来成果を保証しません。基準価額が高いファンドが割高、低いファンドが割安という意味でもありません。設定時期や分配履歴が異なるためです。

インデックス型とアクティブ型

インデックス型は特定指数への連動を目指し、アクティブ型は指数を上回る成果等を目指します。アクティブ型だから必ず高収益、インデックス型だから元本保証ということではありません。コストと運用方針を比較します。

7. よくある誤り

  • 基準価額を資産総額÷投資家数で求める。
  • 信託報酬を購入時だけ支払う費用とする。
  • 元本払戻金を運用利益とする。
  • 分配後も基準価額が変わらないとする。

8. 自己点検

純資産、総口数、表示口数、購入・保有・換金のどの時点の費用かを確認します。

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