3-4 株式投資

最終更新 2026-07-21制度・データ基準 2026-04-01内容確認済み内容の作り方 →

この節でできるようになること

  • EPS、BPS、PER、PBR、ROE、配当利回り、配当性向を計算できる。
  • 株価指標の分子と分母を混同せず、同業他社比較に使える。
  • 指値注文、成行注文、権利確定日の基本を判断できる。
  • 単一指標だけで割安・割高を断定しない。

1. 株式の権利

普通株主には、配当を受ける権利、株主総会で議決権を行使する権利、会社清算時に残余財産の分配を受ける権利などがあります。ただし配当は保証されず、会社の業績・方針で減配や無配になる場合があります。

2. 青葉株式会社のデータ

  • 株価:2,400円
  • 発行済株式数:100万株
  • 当期純利益:1億2,000万円
  • 自己資本:8億円
  • 1株当たり年間配当:60円

EPSとBPS

EPS=当期純利益÷発行済株式数

1億2,000万円÷100万株=120円

BPS=自己資本÷発行済株式数

8億円÷100万株=800円

PERとPBR

PER=株価÷EPS=2,400円÷120円=20倍

PBR=株価÷BPS=2,400円÷800円=3倍

ROE

ROE=当期純利益÷自己資本×100

1億2,000万円÷8億円×100=15%

配当利回りと配当性向

配当利回り=1株当たり配当÷株価×100=60÷2,400×100=2.5%

配当性向=1株当たり配当÷EPS×100=60÷120×100=50%

3. 指標の読み方

PERが低いから必ず割安とは限りません。利益の一時的増加、成長期待の低さ、業績悪化リスクなどでも低くなります。PBR、ROE、財務健全性、成長性を組み合わせて見ます。

ROEが高くても、過度な借入で自己資本が小さいことが原因の場合があります。指標の背景を確認します。

4. 売買注文

  • 成行注文:価格を指定せず、成立を優先する。
  • 指値注文:買値の上限または売値の下限を指定する。

買い指値2,300円は2,300円以下での約定を希望する注文です。売り指値2,500円は2,500円以上での約定を希望します。

5. 株式分割と指標

株式分割では株数が増え、理論上1株当たり株価、EPS、BPS、配当が調整されます。会社全体の企業価値が分割だけで増えるわけではありません。

6. 指標比較の注意点

株価指標は原則として同じ業種、近い事業構造の企業同士で比較します。銀行と製造業のPERやPBRを単純比較しても、資産構成や利益構造が異なるため判断を誤る可能性があります。

利益が赤字の場合

EPSがマイナスなら、通常のPERは有効な倍率として計算できません。PBRが1倍未満でも、保有資産の時価下落、将来損失、低収益性が織り込まれている場合があります。

株主還元の確認

配当利回りが高くても、配当性向が100%を大きく超えていれば、利益以上の配当を継続できない可能性があります。配当額、利益、キャッシュフローを合わせて確認します。

6. よくある誤り

  • PERをEPS÷株価で計算する。
  • ROEを当期純利益÷総資産で計算する。
  • 配当利回りの分母を額面金額とする。
  • 指値買い注文を指定価格以上で買う注文とする。

7. 自己点検

株価、利益、自己資本、株式数、配当を別欄へ置き、まずEPSとBPSを求めてから倍率を計算します。

株式指標の総合計算へ

この章の理解を確認しよう
練習問題で知識を定着させましょう